top of page
検索
執筆者の写真小沢良平

国語力、思考力の低下

先日、卒業生と食事をする機会がありました。私を覚えてくれていることも嬉しいですし、そういう誘いをしてくれることも嬉しかったです。ただ、その卒業生がもう30歳を超えているということに衝撃を受けました…。年を取るわけですね…。


その卒業生の現状についての話もしましたが、やはり中学生当時の話が盛り上がりました。当時はこう思っていた、この生徒とはこんな感じだったなど、様々な思い出話をする中で、今の生徒と昔の生徒との差を改めて感じました。


文章から立式ができない。というよりも文章の内容が理解できない。

作文の添削箇所が増えた。そもそもテーマに合っていない文になっている。

割合、平均、速さなどは公式に代入するだけ。概念を理解できていない。

勉強面ではそんな生徒が増えています。


自分で考えて行動できない。言われたことをやるだけ。

目的意識がない。勉強のやり方がわからない。

試行錯誤ができない。わからないことは考えずに検索して、それを信用する。

先のことを考えられない。同じ様な失敗や反省を繰り返して改善されない。

楽しいことでも集中が続かない。飽きっぽい。

当てはまることはありませんか?


タイトルにもしましたが、国語力や思考力が低下していると言われています。

スマホの普及による安易な検索と情報過多。それによる脳疲労。

SNSに多く使われる短い言葉、短い映像。

本などを読まないことによる活字離れ。

会話が少ないことによるコミュニケーション不足。

原因を挙げればきりがありません。AIの進化もこの観点からはマイナスになる可能性があります。便利な環境下にいることは良い事かもしれませんが、それに依存したり使い方を間違えたりしやすい状態でもあります。流されずに、自分から何とかしようと行動しなければ改善できません。


では、どうすれば国語力や思考力を上げていけるのか。

結論からすると全員に当てはまる「これだ」という解決方法は無いと考えています。一人ひとり状況が違うからです。また、すぐに上がるものではありません。訓練が必要です。前向きに楽しみながらできる可能性はありますが、大変ではあります。

しかし、確実に言えることは、早い段階から訓練をした方が良いということです。25歳になってから訓練するのと、10歳から訓練するのでは雲泥の差が出ます。改善しにくいのはもちろんですが、その15年間の過ごし方に差が出るからです。


私は生徒に様々なことを考えさせるようにしています。

答えがあるものに関しては答えを教えることは簡単ですし、答えがないものに関しても自分の意見を言ってしまうのは簡単です。しかしそれでは成長しません。


受験に関しては

どの高校に行きたいのか。

なぜその高校に行きたいのか。

なぜその一つ上の高校を目指さないのか。

その高校に行くためにはどのくらいの成績と偏差値が必要なのか。

成績を上げるためにはどのように勉強すれば良いのか。

先生に良い印象を与えるにはどんな行動が良いのか。

偏差値を目標に届かせるためにはどうすれば良いのか。

今優先順位が高いものは何か。

いつからテストの準備をすれば良いのか。


勉強面でも暗記だけではなく、興味を持って考えることが重要だと思っています。

分数の足し引きは通分をするのはなぜか。

晴れていると洗濯物が乾きやすいのはなぜか。

will とbe going to は同じと習ったが、違いはあるのか。

『筆者の考えを答えよ』という問題は、本当に筆者の考えを聞いたのか。

なぜ徳川慶喜は大政奉還をしたのか。


部活動や学校生活では

なぜ大変な思いまでして部活を頑張るのか。

上手くなるためには何が必要か。

どうすればコーチからの評価が上がるのか。

相手に自分の気持ちを伝えるにはどうすれば良いか。

チームやクラスをまとめるためにどう話せば良いのか。

ケンカをしないためにはどのように接すれば良いのか。


生徒に考えさせ、意見を聞き、その考えのデメリットなどを指摘し、また考えさせ…

それが、思考すること、それを相手に伝わるように論理的に説明する訓練に繋がると考えています。


また、生徒の状況にもよりますが、話し方にも注意しています。

「先生、この問題がわかりません」と言えるのは偉いですが、「この問題を解説してください」としっかり言えた方が良いです。「暑いです。」と言われたときには「へー。」と返す場合があります。「暑いのでエアコンの温度を下げてもらえませんか。」と言われると「わかった」と言い、対応します。「エモい」や「ヤバい」など作文に適さない言葉は言い直させることもあります。「あれが…」などでも通じますが、言い直させます。


日常の小さなことにも注意しながら、勉強を頑張らせるだけでなく、思考力を試すクイズやゲームをやったり、時には勝負をしたり。多角的に生徒の成長に繋がることを実施しています。

閲覧数:48回0件のコメント

最新記事

すべて表示

志望校合格のためのデッドライン

「勝負の夏」「受験の天王山」など様々な言われ方をすることがありますが、「夏休みから受験勉強を始めれば良い結果が出る」というのは間違っています。もちろんそれで十分間に合う人もいます。ただしそれは、現実に近い目標を設定した場合や、今まである程度勉強してきている場合など、限られた...

優しい先生とは

「うちの学校の先生優しいんですよ。30問の計算テストで20点で合格だったんですけど、18点でもおまけで合格にしてくれました!」 「私の担任の先生、全然怒らないんですよ。忘れ物しても、授業中うるさくても、『次、気をつけようね』って言うだけなんです。優しいんです。」...

パワハラ

学校の授業前に 生徒「先生、教科書忘れてしまいました。すみません。」 先生「ダメでしょ!」「バシッ!」(出席簿で頭を叩く) 部活の練習で 生徒「あっ!」(やっちゃいけないミスしちゃった…) コーチ「おい!ふざけてんのか!?」「ドン!」(肩を殴られる)...

Comments


bottom of page