親子の距離感(過干渉への警鐘)
- 小沢良平

- 7月12日
- 読了時間: 6分
「うちの子、先生の言うことは聞くんですけどね…親の言うことは全く聞かなくて…」
保護者面談でこんなことを言われることがあります。
その子自身の性格なども関係しますが、言うことを素直に聞く子、ブーブー文句は言うものの従う子、全く言うことを聞かない子など、様々な子どもがいます。
何が良くて、どうすれば改善できてというのもそれぞれ異なりますが、私なりの考えを書こうと思います。
まず、人の言うことを聞くときはどんな時でしょうか。
①自分にメリットがあるとき
②関係性がある人に頼まれたとき
③逆らえないとき
などがあると思います。
①は、手伝ったらお小遣いがもらえる、言われた通り練習したら試合で活躍できる、頑張れば行きたい高校に行ける、などが当てはまります。
②は、先輩から「これ片づけといて」と言われた、友達からペンを貸してほしいと言われた、近所のおばさんから「ちょっとそれ持ってきて」と言われた、などです。
③は、先生から「宿題をちゃんとやってこいよ」と言われた、駅員に「危険ですから下がってください」と言われた、強盗に「静かにしろ!」と言われた、などが該当すると思います。(逆らえないということには、『人』『守るべきルール』『恐怖』などがあると思います。)
学校や塾の「先生」という立場の人間の言うことは、①から③の全てを満たすことがあります。そのため、言うことを聞いてくれやすいのだと思います。
反対に「親」という人間の言うことは、①であっても②であっても③を満たさない、むしろ中学生くらいの子どもにとっては③を満たしたくない、「逆らってやる」という心情があることもあります。
③を強く出し、恐怖という感情を使って言うことを聞かせるというのは割と簡単にできます。ただ、それで十分な成長が見込めるかというとそうではないと思います。ただ、必要に応じて使うべき時もあるでしょう。
高校受験のことを考えるのであれば、私は「親の言うことは聞かないけど、先生の言うことは聞く。」この状態で良いと考えています。いわゆる『内弁慶』の状態です。(もちろん親の言うことも先生の言うこともちゃんと聞くのが理想ではあります。)
最優先で言うことを聞くべきなのは学校です。理由は簡単で、学校の先生が成績をつけるからです。逆らうと成績が下がる可能性があります。
次は塾です。良い点数を取る方法を教えてもらうのに、「俺はこうやるんだ」「宿題なんかやらなくていいでしょ」などと逆らっていると結果が出ません。
逆らっても高校受験に影響が出ないのは家庭内です。(ケンカが激しくなり、「お前なんかに私立に行く金は払わん!」とかなるのは別問題ですが…)
最も避けなければならないのは、『家では親が怖い(うるさい)からおとなしく我慢し、学校や塾でふざける』という状態です。今まで何人もいましたが、良い結果はほとんど出ません。
「うちの子は頑張ってるのに」と親は思い込み、学校の責任にしたり、塾をコロコロと変えたりするケースがあります。正しく状況を認識しなければ改善は見込めません。
子どもへの愛情があるからこそ、改善すべきことがある場合には叱る必要性を感じ、つい感情的になってしまうことがあります。それが子どもの「親だから甘えたい気持ち」に反するため、言うことを聞かない、反抗的な態度、ケンカになる、などが起きます。
これが繰り返されると親子ともに疲弊するため何もプラスになりません。
その子の性格にもよりますが、私は以下の様に伝えます。
子どもには
「学校の文句がある場合は先生のところに相談に来なさい。学校の先生に文句を言うと成績に影響がある場合があるからね。親に文句が言いたい場合もグッと堪えて先生のとこに来なさい。親はあなたにマイナスになることは言わない。例えば「ちょっとコンビニで万引きしてきて」とか言われたことないでしょ?それはマイナスだからね。ただ、今のあなたにプラスになることじゃなくて、将来のあなたにプラスになることを言うことが多い。だから今はわからないかもしれない。でも、10年くらいすると「あのとき親の言うこと聞いておいて良かった」って思うはずだ。そうは言ってもイライラするかもしれないし、文句を言いたいこともあると思う。そういう時は親に直せず言わず、先生のとこに来なさいね。」
親には
「子どもに何か言いたい場合には、直接言わずまず私に言ってください。例えば、スマホばかり見て勉強しない場合。「勉強しなさい!」と言っても聞かないですよね。そういうときは私から集団意識を使って伝えます。本人1人にではなく全体に向けて、「皆もそう思うよね」と訴えかけます。そうすると、「皆がそうなら俺も気を付けよう」と考えやすくなります。また、大人の意見ではなく、先輩の意見として伝えるので、より身近に感じて効果が出やすいです。もちろん100%効果があるわけではありませんが、親子喧嘩をするよりは良いです。学校と塾は頑張らなければならない場所なので、家は落ち着く場所であってほしいんです。もちろん宿題などの勉強を頑張る場所でもありますが。子どもが困っているときに話を聞いてあげてください。親からはキツいことは言わずに寄り添ってあげてほしいです。そうは言ってもイライラすることもあるでしょうから、その時は私に言ってください。言いたいことを言い合える関係も素晴らしいですが、信頼して放っておくのも成長を願う愛情の形です。」
こんな感じです。
特に、過干渉になっていないかを気を付けていただきたいです。
自分から何も言ってこないタイプの子どもの場合、期限を過ぎると問題になるものは確認する必要があることもありますが、やり過ぎはいけません。これを読んでくれている保護者の方は、以下の中でどれは聞いてもセーフだとお考えでしょうか。
①宿題はやったのか
②学校の先生から何か言われてないか
③学校に提出するものはないか
④部活は最近どうか
⑤友達とはどうなのか
⑥最近スマホをいじり過ぎじゃないか
⑦高校のことは考えてるのか
⑧お風呂にはいつ入るのか
⑨お腹は空いてないか
⑩明日の予定は何かあるのか
元も子もないことを言えば、正解は『人による』です。
①から③はだらしない子どもであれば確認した方が良いかもしれませんが、毎回確認しなければならない状態は良くありません。
④から⑦は親子のコミュニケーションや心配事の確認ではありますし、聞いてほしい子もいますが、放っておいてほしい子もいます。
⑧から⑩は家庭内の情報共有でもありますが、これも放っておいても良いとも考えられます。
過干渉は、子どもの『考える能力』『自己管理能力』などの成長を妨げてしまう可能性があります。ただ、どんどん聞いてくれることに愛情を感じる子もいます。
重要なのはその子の個性をしっかり見極めること。そしてそれを尊重しつつも、甘えすぎやダラダラしすぎは是正し、反抗的なものは適切な対応を取ることです。
序盤に、(もちろん親の言うことも先生の言うこともちゃんと聞くのが理想ではあります。)と書きはしましたが、『言うことを聞くけど自分で考えられない』ではダメです。
子どもの現状、性格、能力、目標を考えて、どう接するのが正しいかを考え、成長の度合いを見ながら都度対応を変えていくことが大切です。

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