学校の授業前に
生徒「先生、教科書忘れてしまいました。すみません。」
先生「ダメでしょ!」「バシッ!」(出席簿で頭を叩く)
部活の練習で
生徒「あっ!」(やっちゃいけないミスしちゃった…)
コーチ「おい!ふざけてんのか!?」「ドン!」(肩を殴られる)
私が中学生だったころはこれが日常でした。
『暴力は悪い』というのは当然の認識としてありましたが、『体罰という指導』に対してルールなどなく(なかったと思っているだけかもしれませんが)、自分が悪いことをしたのだから仕方ないな、次は殴られないようにしよう、くらいに思っていました。
現在ではそんなことはありません。
私が以前勤めていた塾でも、宿題を忘れた生徒に対して
約20年前は「何でやってこなかったんだ!?」「まじめにやる気はあるのか!?」と強い口調で叱ることが多かったです。また、『叱り研修』というものがあり、厳しく指導できない講師には練習をさせていました。
それが約10年前には「忙しかったのかな?」「次は頑張ろう!」という様に、生徒に寄り添う指導をしなさいという指示が本部からありました。現場では「時代だな…」「これで生徒に効果があるのか?…」という声が出ましたが、そう変わっていきました。(私は変えませんでしたが…。)
調べてみると、「パワハラ」という言葉は2001年にできたようです。
厚生労働省のHPでは、職場におけるパワハラは
①優越的な関係を背景とした言動
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
③労働者の就業環境が害されるもの
これら①から③までの3つの要素を全て満たすもの
と定義されています。
こういったものが職場だけではなく、ご近所関係や先輩後輩の関係まで適用されます。
「それはパワハラです!」と言われるような指導や言動はしてはいけません。
が、私は学習塾で生徒を指導する者として、「パワハラと言われないように指導しよう」という考えに反対です。それは生徒の成長の妨げになります。もちろん無意味な暴力(身体的な暴力も言葉の暴力も)は言語道断です。しかし、生徒の成長のために必要な『指導』『叱り』があると思っています。
重要なのは愛情と信頼関係です。
例えば、生徒がルール違反をした場合は叱らなければなりません。その時に、「先生は私のために怒ってくれている」「申し訳ないな」「今度は褒めてもらえるように頑張ろう」と生徒が考えるのであれば、それはパワハラにはなりません。これは生徒の成長に繋がります。つまり、「強い指導をしてもパワハラと思われず、しっかり受け止めてくれる」という関係を築くことが重要です。
生徒を叱った時に「先生、それパワハラですよ~。」とニヤニヤしながら言ってくる様な状態が最悪です。これでは指導ができませんし、生徒も成長しません。生徒が愛情を感じておらず信頼関係も無いと、この様なことが起きます。
生徒に愛情を持って接し、信頼関係を構築し、必要な厳しい指導をして、成長させていく。
今後もそれを続けていきたいです。
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