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執筆者の写真小沢良平

早くやる

えん「今やると忘れるから、テスト直前にやる」

結果が出ない生徒が勉強したくないときに言うセリフです。


確かに、人間の記憶は時間とともに薄れていきます。1年前の夕飯なんて誰も覚えていないでしょう。しかしそれは、覚えておこうとしていないから、覚えようとしていないからです。強く印象に残っていること、絶対に覚えようと思って覚えたことなどは時間がたっても忘れません。私は5歳のころにやっていたファミコンのゲームのパスワードを今でも覚えています。無駄に。


学校のワークなどを早く進めておくことには、目的とメリットがあります。


①わかる問題とわからない問題を区別する

テスト直前の勉強時間で最も無駄なのは『理解している問題をやること』です。提出物だからやらなくちゃいけない簡単な問題や単語、漢字の練習などに、多くの時間が奪われます。早く進めておけば、そんな無駄な時間を無くすことができます。


②短期記憶ではなく長期記憶で覚える

理社や技能科目などの重要語句を、テスト直前に暗記して点数を取ろうという人がいます。大半が失敗します。もちろん何もしないよりは語句を覚えるでしょうし、少しは点数に繋がります。しかし、それでは定着したことにはなりません。テストが終わるとすぐに忘れます。定期試験ではそこそこ取れるのに、模擬試験や実力テストで点数が取れない生徒はこれが原因です。入試では間違いなく大苦戦するでしょう。何度も繰り返し学習することで、記憶はしっかり定着していきます。ごく僅かな天才を除いて、『あいつは勉強ができる』という人はそうやって覚えています。だからテスト前に慌てたりしません。


③応用問題に時間を使える、突然の提出物に対応できる

個人差はありますが、テスト2週間前にはワークの1周目を終わらせられるように当塾では指導をしています。そうすれば、解けなかった問題や応用問題にたっぷり時間を使えます。テスト前日に単純な計算問題を解かなければならないような状況にならないことが大切です。また、テスト前にプリントを大量に配る先生もいます。それにワークが重なると提出物のみに追われ、他の勉強ができません。必要な勉強にかける時間をしっかり確保しましょう。


テストで点数が取れない最大の原因は『準備不足』と『不十分な自己分析』です。

「もっと時間が欲しい」「覚えたつもりだったのに」「家で確認したらできた」そんな経験がある人は上記に当てはまります。入試の準備を1日前から始める人、1週間前から始める人、1ヶ月前から始める人、半年前から始める人、誰が最も有利でしょうか。早く始めるのが得策です。


一部天才的な人は、必要な結果を出すための最低限の行動で最大の効率を出せるかもしれません。夏休みの宿題を最終日近くから最低限のみ一気に終わらせたり、テスト直前に必要な部分だけ短期記憶で暗記したりなどです。それは大半の人はできません。勉強は『努力の仕方を理解する』『結果の出し方を知る』ことだと思っています。できることをどんどんやりましょう。

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